事業紹介Business

主な業務内容Work

原料となる木材の製材から集成材の製造加工はもとより、お客様の多種多様なニーズにお応えします。

CAD入力業務

設計を元に図面や3Dのデータをコンピューター上で作ります。

CAD入力業務

2×4工法

壁パネル・床パネルの製造・組立、トラス製造・組立を行います。

2×4工法

パネル工法

高気密・高断熱の省エネ住宅に対応したパネルを製造します。

パネル工法

在来工法+金具工法

高い強度と精度を実現する集成材を加工し、横架材、柱材、合板を製造。在来工法用の溝切り加工や金具工法の金物取付までを行います。

在来工法+金具工法

造作材加工

間伐材を効率よく使って製造した集成材を構造材や羽柄材、羽目板や造作材、化粧材へ加工します。ムク材を用いた製造も承ります。

造作材加工

ペレット製造

木質バイオマスエネルギーの利用促進事業の一環としてペレットストーブ&ボイラーへの燃料供給やWPC用原料として製材、廃材等の従来であれば棄てられていた未使用木質資源を有効活用しています。

けせんプレカットが開拓する4つの新事業New business

けせんプレカットでは、自然・社会のことを考えたエコで資源を有効活用する様々な事業を行なっています。
現在取り組んでいる4つの事業についてご紹介します。

直交集成板
企業農業
燃料電池フォークリフト
セルロースナノファイバー

日本の森林と林業を蘇らせる
国産材CLT開発への挑戦

国産材の利用促進の切り札として、CLT(Cross Laminated Timber:直交集成板)が注目されています。CLTとは、木の板を繊維方向が直角に交わるように重ねて接着したパネルです。海外では、欧米を中心にマンションや商業施設などさまざまな建築物に利用されています。鉄やコンクリートより軽く、その一方で鉄筋コンクリート造に匹敵する強度を持ち、高い耐震・耐火・断熱・遮音性能、建築工期の短縮が可能になるなど、CLTには多くの利点があります。これまで木材があまり使われてこなかった中大規模な建築物に用いることにより、木材の需要拡大や新たな産業分野の創出が期待されるものとして、国を挙げてCLTの普及に向けた取り組みが進められています。
こうした流れを受けて、岩手県では豊富にある県産アカマツの活用を促すため、アカマツを用いたCLT製造技術の開発に取り組んできました。国が策定したロードマップに基づき、研究をさらに深めるとともに、県内の林業関係団体と連携して実用化を推進しています。
当社では令和2年6月、従来の2×4工法をCLT工法にアレンジした賃貸住宅の施工に携わりました。大手ハウスメーカーによるCLTを活用した賃貸住宅1号棟で、2階建1棟4戸、延床面積は215.52㎡。岩手県産のスギを使い、西日本の工場で加工し、同組合でプレカットしました。現在この建物は、当社の社員寮として使用しています。今後のCLTへの取り組みにも技術と知見を生かしていきたいと考えています。

直交集成板

余剰資源を活用した農産物栽培
日本の農業に変革をもたらす企業農業の実践

工場の生産工程で出るバーク、木くず、端材は工場内の木材乾燥機の熱源を供給するボイラーの燃料として活用してきましたが、更なる有効活用に向け木質バイオマス発電設備を設置。これを機会に企業農業にも参入し農産物栽培を行っています。発電の余剰熱を団地内の園芸ハウスの暖房に利用するもので、イチゴの高設栽培や、キクラゲの菌床栽培などに取り組んできました。ゼロエミッションの達成を目指して始めた農業でしたが、現在では魅力ある農業環境の創出や、将来に向けた食糧の安定供給などの目的を掲げ、挑戦を続けています。魅力ある農業とは、たとえるならばスカート姿の女性でも楽しく、楽に作業できる農業です。当社で生産されたキクラゲはすでに商品化され、岩手県内のスーパーでも取り扱われています。
CO2排出ゼロを目指して導入した燃料電池フォークリフトは、農業生産用の電源としても活用できます。工場終業後の夜間に燃料電池フォークリフトを農業生産施設のL ED照明の電源として利用し、365日天候や季節に左右されることなく農業のできる環境を整え、イチゴやレタス、ホウレンソウなどの作物の栽培実験に取り組んでいます。CO2排出ゼロの企業農業を実現する未来に視線を向けながら、栽培方法や適性環境の検証を重ね、生産した農産物の流通を目指しています。

企業農業1 企業農業2

目指しているのは水素社会の実現
未来を開く水素エネルギーの活用

CO2をはじめとする温室効果ガスの排出がこのまま続いたら、地球に住めなくなる日が確実にやってきます。林業という事業に関わる立場として、環境問題に取り組むことは重要な責務と捉え、当社では水素社会の実現を目指して模索を続けてきました。その取り組みの一環として平成30年3月、水素を燃料とし、CO2を排出しない燃料電池フォークリフトを導入しました。これは東北地方では初の事例で、林業・木材加工業者においては国内第一号となります。併せて、天然資源を活用して水素を自給自足できるシステムも構築しました。
工場内の建物の屋根に太陽光パネルを設置し、得られた電気で敷地内の湧き水を電気分解し、水素を製造。その水素を圧縮して貯蔵し、燃料電池フォークリフトに充填するという仕組みです。水から水素を取り出しても残るのは酸素だけ、取り出した水素を燃料として使用しても、排出されるのは水のみですから、究極のエコシステムといえます。
現在、 2台の燃料電池フォークリフトが稼働しています。排気ガスが全く出ないので、工場内の空気はクリーンに保たれ、排気のにおいが気になったりすることもありません。音も静かで、作業環境の改善にもつながっています。
今後、大手ハウスメーカーとともにCLT製造を本格化させるにあたり、そこから発生するバークや端材などを使ったバイオマス発電由来の水素利用にも積極的に取り組み、国内での水素エネルギー普及に貢献することを願っています。

燃料電池フォークリフト1 燃料電池フォークリフト2

木材加工業者だからこそ取り組める
セルロースナノファイバーの研究

工場内で出る木くずはバイオマス発電の燃料やホワイトペレットの原料としてこれまでも有効活用を図ってきましたが、最終的に燃やしてしまうことに変わりはありません。これをより一層価値あるものに変える新たな取り組みとして、当社では令和4年1月から、東北大学との共同研究によりセルロースナノファイバー(CNF)の技術開発に着手しています。
木材の主要成分は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンです。鉄筋コンクリートにたとえると、セルロースは鉄筋、ヘミセルロースは針金、リグニンはコンクリートの役目を果たしています。木材からセルロースの繊維を取り出して、ナノレベルまで粉砕したものから得られるのがCNF。再生可能資源であり、強度は鉄の5倍、軽さは鉄の5分の1という特性を持つCNFは、自動車や家電、塗料、食品など多種多様な業界で応用展開が検討されている次世代素材です。
工場敷地内に設置された研究室では、木からつくられた「軽くて丈夫な自動車」や「真夏でも溶けにくいCNFを加えたアイスクリーム」が実用化され普及する未来を描きながら、木材加工の副産物を活用してCNFを製造する研究が進められています。先人から受け継いだ大切な森林資源を少しも無駄にすることなく、最後まで宝として生かしていきたい。当社がCNF研究に関わる根底には、その想いがあります。

セルロースナノファイバー1 セルロースナノファイバー2

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